本日は、【栄子ママの箏だより】をご訪問くださいましてありがとうございます。
2020年(R2)5月21日(木)
25年住みなれた家をひきはらって夫の実家に転居しました。
令和元年9月から夫と二人のくらしです。
十三絃琴 2面、十七絃琴 1面、三絃 1挺と一緒に時々おけいこをしています。
2016年(H28)
古生田流箏組歌曲目一覧を書きました。時々お稽古しています。
一覧を見るには上の画像をクリックしてください。
2015年(H27)
都十二月
作詞・作曲共に不詳ですが、1842年頃には「都土産」という題名で用いられていた記録があり、地歌作物として分類されている曲です。
正月から暮れまでの京都の年中行事を綴り、随所に俗語体のコトバが用いられ、囃子詞も多く、変化に富んでいます。
元来三絃独奏曲として即興的に演奏されたものですが、後年には箏の手を付け、大勢で合奏する面白さもあり、箏も三絃も夢中になってお稽古した曲です。
1994年(H6)
松山に落ち着きまして、お箏のお稽古を始めました。一年に一曲、お箏が弾けるようになって先生方と合奏できるといいのですが。一年に一度、ステキな出会いがあるといいのですが。
楽曲に出会った時のことなど書きとめておきたくて・・・
曲名、 作曲者名、余韻嫋々、音は入っておりませんが琴音を感じていただけたら幸いです。
☆宮城道雄生誕百年記念演奏会をお友だちと聞きに行きました。ご近所の方が出演されていて驚きました。
私自身がお箏のお稽古を始めるとは思っていなかったのですが、お稽古再開のきっかけになったように思います,
♪平成松竹梅
大月宗明 作曲
平成6年、松山での初舞台、大勢の先生方と晴れやかなステージを体験しました。
♪ままの川
菊岡検校作曲・松野検校箏手付・宮腰夢蝶作詞
天保(1830〜44)頃の作曲・三絃、二上がり 箏、平調子。
♪夢が浮世か、浮世が夢か 夢てふ里に住み乍ら ひとめは恋と思いがわ
うそも情けも唯口先で 一夜流れのいもせの川を 其水くさき心から
よその香を衿袖口に つけてかよはばなんのまあ かあいかあいの烏の声に
さめてくやしきままの川
<まヽまになれ>と自棄的な気持ちを川にかけて、遊女の夢・・不確かな恋心・・
【夢てふ、里に住みながら・・・】の歌詞に作詞者【夢蝶】の名がおりこまれています。
☆古曲を楽しむ会☆に初めて参加させてもらいました。昭和63年(1988年)に
『古曲のもつ良さを再認識するとともに、伝承しよう』と誕生したのだそうです
18世紀後半以降、三味線の<地歌>というジャンルの音楽に
箏曲がつけられ、上方で流行していたらしいのです。
うまく説明できませんが、『栄子ママ変奏曲』と言う曲名があるとします。原作は、松山ドーゴ夫さん
弦楽器パート作曲者は、愛媛アヤメ子さん、管楽器パート作曲は、坂の上雲太郎さんとでもいうような不思議な組み合わせで今に伝わっているのが、現在「古典」と言われる箏曲だと解釈しています
今は、宮城道雄以前の曲をとりあげてノーカットで演奏しましょうということになっているようです
♪軒の雫
宮城道雄 作曲
舞台で唄う緊張感を初体験。勿忘草色の訪問着に銀の帯を合わせ、亡き母の着物姿を真似てみました。
つくづくと 春のながめの寂しきは しのぶにつとう 軒のたまみず 新古今集・大僧正行慶作
♪若菜
松浦検校 1810年頃の作曲・箏手付八重崎検校
年はまだ 幾日も 経たぬ笹竹に 今朝そよさらに春風を、我知り顔に鶯の、百々喜びの音をたてて 謡ひ連れ立ち乙女子が摘むや 千歳の初若菜 若菜摘む手の柔しさに 梅が枝にさえずる百千鳥の 声添へば
色さへ 音さへめでたき
・・七草粥をいただくときに思い出す優雅で華やかでおめでたい曲です
○宮城道雄著 生田流箏曲選集 第三編:若菜・けしの花・青柳・五段砧・八重衣・雲井五段砧
♪黒髪
湖出市十郎 作曲
お箏の先生から、「尺八の先生方のお稽古の時に ご一緒させてもらえるようにしましょう」と お声をかけていただいて都山流尺八の峰山先生と初めて合奏練習した曲です 。
「白髪のトシヨリですが尺八吹いてたおかげで、こうやって若い方たちと一緒に過ごせて嬉しいことです。次回もまた あなたの後ろで吹かせてもらいたいと思っていますよ」と、優しい音色と笑顔を残して亡くなられたのですが・・・ 。
黒髪の、むすぼれたる思いをば とけてねた夜の枕こそ、ひとり寝る夜のあだまくら 袖はかたしく、つまじゃと云ふて 愚痴な女子の心としらで、しんと更けたる鐘の声
ゆふべの夢の今朝さめて、ゆかし懐かしやるせなや、積もると知らで積もる白雪
以後、時々しか通えないにもかかわらず、いつも三曲合奏でお稽古させていただくという 贅沢な時間をもたせていただき心豊かに過ごせました。
♪京人形
森岡章 作曲
長女と一緒にお稽古して春の演奏会で母娘競演!
♪ゆき
峰崎勾当 作曲・流石庵羽積 作詞 1790年頃(天明、寛政)の作曲
花も雪も払えば清き袂かな ほんに昔のむかしの事よ 我待つ人も我をまけん 鴛鴦の雄鳥に物思い葉の、凍るふすまに鳴く音もさぞな、さなきだに心も遠き夜半の鐘
聞くも淋しきひとり寝の、枕にひびく霰の音も、若しやといっそせきかねて、落つる涙のつららより つらき命は惜しからねども、恋しき人は罪深く思はぬ ことの悲しさに、捨てた憂き
すてた浮世のやまかづら
先ず三絃をお稽古したい曲でした
♪茶音頭
菊岡検校・八重崎検校移調
茶道ひとすじのY先生M先輩、O先輩の凛とした姿を思い出します。
1997年(H9)2月:青少年伝統芸能鑑賞機会提供事業 伝統芸能ふれあい公演:日本音楽集団
♪編曲 小鍛冶
野村正峰 作曲
謡曲古鍛冶の筋書きを、二代目杵屋藤五朗が長唄化し、それをもとに箏曲に編曲されたもの
♪夕顔
菊岡検校作曲・箏手付八重崎検校
古曲を楽しむ会第10回記念の舞台でお箏をひきました。
時々のお稽古事ですから、ちっとも上達しないのですが、源氏物語【夕顔】は、繰り返し読んでいますので イメージだけはしっかりしていたつもりです。
源氏17歳、六条御息所24歳、夕顔19歳(急死)玉鬘3歳、葵の上21歳
住むや誰とひてやみんと黄昏に よその車の訪れも 絶えてゆかしき中垣の すき間もとめてかいま見や かざす扇にたきしめし、空だきもののほのぼのと ぬしは白露光を添えて いとどはえある夕顔の
花に結びしかり寝の夢もさめて 身にしむ夜半の風
源氏物語といえば
組曲源氏第一 桐壷 中村双葉・昭和25年秋作曲 正派公刊箏曲楽譜
第二 須磨 中村双葉・昭和26年3月作曲 沢井孝子郎作歌
第三 明石 中村双葉・昭和33年3月作曲 酒井俊輔作歌
兵庫県西宮市に住んでいましたので・・・
阪神大震災の報道が流れるたびに、須磨の水族館で遊んだご家族を思い出します。
♪あかねさす
宮田耕八朗 作曲
三絃のお稽古を、長男がよく聞いてくれました。
「うちぬきの名水」で有名な西条市での演奏会に義母から贈られた淡い撫子色の小紋で参加しました。
あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る 額田王
♪花さき山
宮田耕八朗 作曲
斉藤隆介作・滝平二郎絵『絵ものがたり・花さき山』(岩崎書店刊)を紹介したいと1986年作曲されたものです。
スライドと合わせて鑑賞できるようです。
1990年、愛媛県で開催された国民文化祭で合唱曲として初演されたとも聞いています。
小中学校で実技を伴う和楽器の授業が必修となるのを受けて近くの学校でも取り組みがなされ こどもたちのおかげで音楽の先生がたとお話ができるようになりました。
放送部で活躍していた娘が朗読を担当してくれて小学校でも中学校でも披露した思い出深い一曲です。 その時の感想文集は私の宝物です。
平成11年3月 I小学校の「学校だより」にS校長先生が書き残して下さったこと。
[和楽器音楽観賞会について]
保護者の方々のご協力で4・5・6年生対象に実施しました。保護者の方も来られうっとりとみやびの世界にひたられました。特に寒さの厳しい日でしたが子どもたちも熱心に鑑賞し次のような感想を書いています。
1.琴と尺八だけなのに、すごく感情がこもっていて聞き惚れてしまいました。私は聞くまで別に興味を持っていなかったけど生演奏を聴いたら自分もあの中に入って演奏したいと思いました。だから、琴や尺八の演奏会があるときは聞きに行きたいです。花さき山という曲は物語と演奏が一緒になってとても感動しました。
2.琴と尺八の音が重なったところがすごくきれいでした。お箏の音が好きなので少しやってみたいなあと思いました。
3.花さき山は琴と尺八のきれいな音色と本を読む女の人のきれいな声とが重なってとても素晴らしい演奏でした。本の読み方も気持ちがこもっていてとても上手でした。
6年生3人の感想をあげさせてもらいましたが、他の子どもたちも同じようにとても感動したと書いています。演奏された方の真剣な態度が文字通り子どもたちの「琴線に触れた」のでしょう。教える人と教わるもの、演奏者と聴衆、心が呼応し一体となっている、いわば心のハーモニーを奏でている。そんな感じを強く受けありがたく思いました。
♪複協奏曲
宮田耕八朗 1981年12月16日作曲
尺八と箏の二人の独奏者と合奏群による協奏曲:箏奏者が三絃に持ち替えて演奏する工夫を楽しみました。
♪うわさの二人
宮田耕八朗 1990年5月28日 作曲
尺八・箏・十七絃による三重奏曲第5番
誰のこと・・・っておたずねですか? ほら、あなたの身近にもきっといるでしょう、あの明るく ほほえましい二人のことですよ。 二人のことが話題にのぼると、その場のみんなが一緒に幸せにつつまれてしまう、あの清々しいふたりのこと。
あとがきに思い当たる二人がいましたので楽しくお稽古しました。
1998年(H10)5月:田辺頌山・コンサートに出かけてCD【静かなる時】を購入しました。
水琴窟と尺八の音の協演が新鮮です。
8月末、長女が先生のお伴としてシンガポールに行きました。野村正峰作曲 さくら三重奏をお稽古して演奏に加わりました
♪六段の調
八橋検校作曲
長男の部活動がきっかけで、お箏を弾きたかったというケイさんに出会いました
ケイさんと並んで、お箏をひきました。箏・10名・・三絃5名・・尺八10名・・くらいの舞台だったと思います。
段合わせを工夫して、歌の入った六段の調べでした。
♪園の秋
菊岡検校作曲
秋の庭に咲く七草の花を美しい遊女たちにみたてて歌ったもの。19世紀初期の作曲だそうです。
大夫衆は、皆かしにでて 露ばかり 跡に刈萱 桔梗屋の その庭面も 秋くれば
時に尾花や女郎花 郭景色と打ちつれて しゃんと小褄を鳥兜 おのの頼り風 寄添いて 咲き乱れたる萩薄
その手にからむ朝顔の 東雲方の朝嵐 空も匂うか 秋の七草
(先生の歌声を聞きながらお箏をひくのがやっとでした)
♪ことうた〜わらべ唄〜
水野利彦作曲
あんたがたどこさ・かごめかごめ・ずいずいずっころばし・通りゃんせの4曲をメドレーで綴ってあります。
お稽古のお相手をしてくださる尺八の先生とお箏の先生、私の三人で楽しく演奏できました。
♪肥後の夜まつり
宮田耕八朗 1991年作曲
縁日の夜店・灯がともるころ・にぎわい、盆踊りなどのイメージ
1999年(H11)琵琶と尺八によるサマーナイトコンサートに出かけ日本情緒にどっぷりひたることができました。
坂田梁山(尺八) 坂田美子(琵琶)
この年、二女は、吹奏楽部の一員として全国大会に出場しました。
娘のおかげで私は譜門館を待ち合わせ場所にして東京在住時にお世話になったみなさまと再会しました。
居心地のいい食事会は賑やかな近況報告会になり「時々、お箏のお稽古に通っている」と 報告した時の
《驚き》の反応にこちらが驚きました。
♪椿づくし
宮城喜代子、宮城数江著
椿は松山市の花。義父の育てる見事な椿を見るたびに思い出す曲です。
「今落ちしばかりの椿残し掃く」久仁女
「琴の音の洩れくる露地や紅椿」久仁女
義母の俳句も思い出します。
「椿さん」と呼び親しまれている伊豫豆比古命神社の近くに住んでいますし・・・。
♪草笛の頃
宮田耕八朗作曲
ちっとも弾けなくて家でお稽古していた時、お友だちのMさんが来て
「この曲、大好き!何度でも聞きたい!もう一回ひいてみて!」と言った曲です。
彼女と一緒に聞いた曲:キビタキの森・北風のとき・雨の水前寺にて・雲井獅子
♪宮城野
> 野村正峰 1965年9月作曲
島崎藤村の詩集「若菜集」の「草枕」より歌詩を抜粋して箏2部と尺八の編成により作曲されたもの
こころの宿の宮城野よ みだれてあつき我が身には ひかげもうすく草枯れて あれたる野こそ うれしけれ
ひとりさみしき我が耳は 吹く北風を琴ときき 悲しみふかき我が目には いろなき石も花とみき
伊予の小京都、「おはなはんの町」大洲市で開催された演奏会で、
学生時代の友人Tさんと再会しました。介護の仕事をしている彼女と心に残るひと時を過ごしました。
昔、お稽古したことがある曲だと聞きました。
♪殘月
峰崎勾当 1790年頃の作曲
真如の月になったかのように、他界してしまった霊の安らかな睡りを祈り願って過ごしているうちに
月日許りが巡ってきて悲しいという追善曲。
磯辺の松に葉隠れて 沖の方へと入る月の 光や夢の世を早う さめて真如の明らけき 月の都に住むやらん
今は、つてだにおぼろ夜の 月日ばかりや廻り来て
○宮城道雄著 生田流箏曲選集 第4編:ままの川・楫枕・夜々の星・萩の露・西行櫻・玉の臺・殘月
2000年(H12)宮田耕八朗を迎えて《神無月に光あり》演奏会
・よろこびのうた・晩秋三景・唐臼のある風景
・キビタキの森・月見草の詩・太陽と海と・ともだち
草履を新しくしました。大分県の友人が見立ててくれた小鹿田焼き刷毛目模様の大皿を楽屋へ持参し、 宮田先生から直接「唐臼のある風景」のお話も聞けました。
聞きに来てくれた友人が「どの曲もステキでしたよ・なかでも太陽と海とは、エイコサンに似合ってました!」と メッセージカードを残してくれました。
♪編曲 元禄花見踊
坂本勉作曲
長唄の「元禄花見踊」をテーマにして三曲合奏曲に編曲されたもの。
上野の山の花見風俗を描いた華やかで明るい曲風です。
♪櫻川
光崎検校作曲・石野某作詞
桜川は、筑波山麓を流れ、霞ヶ浦へそそぐ川で、桜の名所です。
新玉の春は氷もとけ初めて 浪の花こそ よすらめと 瀬々の白浪、しげければ かすみうながす 浮しまの
げに面白や 昔の春は今もなほ 変わらで花のうるわしき 水もにごらぬ 桜川
2001年(H13)11月 箏・尺八の夕べ《宮田耕八朗作品演奏会》
ご案内状やプログラム作成などエイコママ専用のパソコンが大活躍! 司会進行役も務めました。
パソコン関係のお仲間も聞きに来てくれました。 こんな感じです
春のいぶき:1989年冬、もえあがる命の炎を 箏は、激しく優しく流れるように尺八は軽やかにセレナーデをうたいます 陽だまりの恋しい今日この頃、みなさまに春のいぶきがとどきますように・・・
かげろう:ものみな新しく生まれ変わる春、私たちの心には未来に向かっての希望が あこがれが・・・はっきりとは見定められないのですが、ゆらゆらと かげろうのようにわきたってくるではありませんか・・・
おしゃべりの相手はモンシロチョウでしょうか? 菜の花畑には心地よい風が吹いています どこからか小鳥のさえずりも聞こえてきます 1987年作曲、菜の花の詩、では、どうぞ
ある初夏の日のひとつの思い出から恋文のような三重奏曲ができました ともに歩いたあの海辺、締め付けられるようなせつない願い 海の青さに<熱い想い>が溶け合って、忘れられない、忘れたくないヒトこまです
それぞれの想いを胸におききいただきましょう。海の青さに
「富士のお山には月見草がよく似合う」と作家太宰治は言いました 宮田耕八朗は、月のしずくをうけて、うつむきかげんに咲く夢の花をこんな風に 描きました・・・月見草の詩
1978年、尺八と20絃の琴の二重奏曲として作曲された瑞穂のうた 本日は、1992年に十七絃用に書きなおされた作品をおききいただきます みずみずしい稲穂の実る国、古事記に記された、みずほの国 水田では、トンボがとびアメンボが泳ぎます
実りの秋には、こがねいろの稲穂が波打つように輝きます 私たちが愛してやまない風景です 現在、急速に失われていく水田への追憶と、告発の意思をこめて作られました
遠い山並みに沈む大きな夕陽を思いながら・・・。
♪編曲 民謡調
水野利彦1993年2月編曲
民謡のソーラン節・追分・八木節の三曲を、現代的な感覚で編曲したもの。
♪奥入瀬川
宮田耕八朗1984年作曲
八甲田の山々と奥入瀬渓流沿いの美しい風景を思い浮かべて十七絃を弾きました
♪比良
宮城道雄作曲
比良 万葉集より
見渡せば 比良の高根に雪きへて
若菜摘むべく野はなりにけり
若菜摘むべく野はなりにけり
木曜日の午後合奏練習していただいていたK山先生との思い出の一曲です。
もう二度と音色をきくことはできません。 残念です。K山先生、かみあわない弾き方ばかりしてごめんなさい。反省しています。
この本ほど書き込みをしているものは他にありません。いつかきっと合奏できるようになりますので・・・
♪春の歳時記
野村正峰1981年作曲
春の詩情を誘う風物詩「雪解水」「ひな祭り」「春らんまん」の三つを組曲風にまとめたもの
♪神楽初め
作曲者不詳
【古林検校・1787年の作曲ともいわれ、古曲(大阪12曲)の一とされている】
千早ふる神代の初め 素盞男の荒き心を憎ませて 天照神の御怒り 岩戸に隠れましませば 常闇の世となりにけり
萬の神の嘆きつつ 岩戸の前に集まりて 神楽を奏し奉る 是ぞ神楽の始めなる
時に天照大神少し打ち笑み給いつゝ 岩戸を開きましませば 人の面白々と見ゆる心のうれしさよ 面白いとわ申すなり
♪玉川
国山勾当作曲・穂積頼母作詞 (寛政年間・1789〜1801・の作品)
山城の井手、摂津の三島、近江の野路、陸奥の野田、武蔵の調布、紀伊の高野、六ヶ所の名所を詠みこんであって
一名、六玉川とも称されています。
♪秋風の曲
光崎検校作曲 蒔田雲所作詞
天保年間(1830〜1844)の作曲で雅楽秋風楽からヒントを得たもので、箏の調絃が特殊です。
唐の白楽天の長恨歌の一編を翻案して歌詞としています。
♪二長(じちょう)
三橋検校作曲
年賀用として、ご夫婦の長久を祝して鶴と亀の二つの長生きの生物を歌いこみ作曲されました。
歌詞
1.足引きの巌なでし劫やなほ真鶴の羽衣をン千代に一度打付けて撫づともさらに尽くすまじ
2.長井の浦や春の日に葦の若葉の柔らかに雛をも連れて遊ぶなる鶴の気色ぞ誇らしき
3.鶴に乗りし仙人の心に任せ行き通ふ蓬が島と聞こえしはいつも老いせぬ所とや
4.籠の内知らぬ思い出の物数ならぬ古へ高い位を許され車にしためしあり
5.御手洗川に住む亀は神代をかけて知りぬらん蓮の浮き葉に遊びなる千歳の後は身は軽し
6.数の占文字負ひ出しあとに倣ひて今も猶夕占を問えば何事も吉に定まるめでたさよ
♪明治松竹梅
菊塚検校作曲「明治35年作曲)
歌詞は松竹梅をよんだ7首の和歌を組み合わせたもの。
風の音は静まりはてゝ、千代呼ばふ田鶴がね高し峰の松原 (明治天皇)
栄えゆく御園生の松に雛鶴の千代のはじめの声を聞かばや (昭憲皇太后)
此の上に幾重降りそふ雪ならむたかむらたかくなりまさりつゝ (明治天皇)
たちかへる年の朝日に梅の花かほり初めたりゆきまながらに (明治天皇)
大君の千代田の宮の梅の花笑みほころびぬ年の始めに (昭憲皇太后)
あらたまのとしのはじめに梅の花見るわれさへにほゝゑまれつゝ (明治天皇)
新しき年のほぎごと云いかはす袖にもかほる梅の初花 (貞明皇后)
♪晩秋
中村双葉作曲〈昭和7年10月作曲)・竹友藻風作歌
秋の夜の静けさを表わし、前歌の後半は落葉する気分にて早く演奏します。
♪まほら
菊重精峰作曲〈平成16年11月作曲)・箏四重奏曲
奈良の風景を思い出しながら各パートにソロの演奏があったり現代感覚で仕上げられた曲です。「まほら」とは「まほろば」の別称で[素晴らしい場所]という意味です。
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