箏組歌

 琴の組歌は、通常6歌を組み合わせた詞章を、箏伴奏のみで弾き歌いをする。中には4歌のものや、最初に「序」や、最後に「跋」などの付く例外もある。

 各歌の詩章は、『源氏物語』や『伊勢物語』をはじめとする王朝文学や、各種の『和歌集』を踏まえた歌が多い。それも、そのまま摂取するのではなく、「本歌取り」の精神で上手く借用している。多少の例外はあるが、七五調四句形式を基本とし、1フレーズが8拍子で、1句が2フレーズの16拍子に充てられているので、一歌が64拍子という同じ長さに全て統一されている。ここでいう「拍子」とは伝統的な数え方で、表拍と裏拍で1拍子とする数え方をいう。